
親権についての選択肢及びそれらのメリットデメリットや想定される展開とリスク等の類似ケースについて知ることは重要です。
父親が親権を得るケースも多数あります。
親権の指定でお互いに譲らないときには、親権と監護権を分けることもひとつの方法です。
親権の奪い合いで子どもの前で争うことは避けたいものです。
子どもにとっては、親権の有無に関係なくどちらも大切な親なのですから。
不安定な時期だからこそ、子どもが安心できる居場所を作ってあげてほしいと思います。
1. 法定代理人
親権とは、子どもの財産に関する管理をしたり、生活や教育に関する権利義務をもつということです。
子どもが契約等をするときに法定代理人となります。
親権と監護権を切り離した場合には、 親権は子どもが20歳になるまでの財産管理人ということです。
子どもが契約等をするときに法定代理人となります。
親権と監護権を切り離した場合には、 親権は子どもが20歳になるまでの財産管理人ということです。
2. 共同監護可能説
民法819条では、離婚の際に夫婦のどちらか一方に親権を定めなければならないとされています。
しかし、民法766条では、どちらか一方を監護者と定めなければならないとはされていません。
よって、日本には共同親権はありませんが、離婚後の共同監護が可能とする説もあります。
実際には、親同士が、子どもの養育監護に関して十分なコミュニケーション、共通の教育方針等、構築していく必要があります。
しかし、民法766条では、どちらか一方を監護者と定めなければならないとはされていません。
よって、日本には共同親権はありませんが、離婚後の共同監護が可能とする説もあります。
実際には、親同士が、子どもの養育監護に関して十分なコミュニケーション、共通の教育方針等、構築していく必要があります。
監護権者とは、手元において養育する者のことです。
財産管理や法的な手続き以外の子育てと考えるとわかりやすいかもしれません。
通常、親権のイメージとは監護権の内容であることが多いのです。
また、監護権者は親でなくてもかまいません。
親権の変更は、子どもの利益のために必要があると認められるときのみにすることができます。必ず家庭裁判所に親権変更の申立てをしなければなりません。 ですが親権変更は、よほどの事情がない限り認められません。
親権の変更は、実際には、親権者が子どもを放置して遊び歩いている、子どもに対して暴力を振るう、食事を与えない、親権者が長期入院して子どもの面倒が見られないなど、親権者が子どもの養育にふさわしくないと認められるようなよほどの状況がなければ、なかなか難しいようです。
民法766条が改正(平成24年4月1日施行)され、面会交流が明文化されたことを受け、面会交流の拒否が親権者変更の理由となる判例が出ました。
面会交流不履行で父親に親権者変更(福岡家裁)
この判例は、親権と監護権の分離をしている点でも画期的ですから、今後は家裁案件でも親監分離となるケースが出てくる可能性があります。
なお、親権の変更は戸籍に記載されますが、監護権の変更は戸籍の記載がありませんので、両親の協議だけでもすることができます。
親権によって自動的に子どもの氏が変わるわけではありません。 離婚をしても何ら手続きをしなければ、親権にかかわらず子どもの氏はそのままです。親権と子の氏の関係は、子どもの年齢によって違います。
- 子どもが15歳未満の場合には、親権者が子どもの氏の変更手続きを行うことができます。ただし、監護権のみの場合はできません。
- 子どもが15歳になれば、子ども自身が氏の変更手続きを行います。
- 氏を変更した子どもは、親権に関係なく、成人してから1年以内に役所に届出ることで旧姓に戻ることができます。(民791条4項、戸99条)
調停が不成立になると、自動的に審判に移行しますので、結果は出ることとなります。
この保全処分は、子の監護に関する審判の申し立てがあった場合に限られますので、調停中ということだけでは、この保全処分を求めることはできません。
審判前の保全処分の要件は、子どもの引渡しを認めなければ、子どもに急迫の危険が生じるおそれがあることなどです。
審判や保全処分として、子どもの引渡しが命じられても、相手方が従わない場合の執行方法には、直接強制と間接強制があります。(子どもの年齢等による)
この請求が認められる要件としては、連れ去った配偶者の子どもに対する監護が子どもの幸福に反することが明白であることが必要です。
たとえば、子どもの健康が著しく損なわれる蓋然性があるとか、義務教育を受けさせないなどというような明白な事情です。
人身保護請求は、請求に対して迅速な裁判が要求され、審問期日は請求の日から1週間以内に開き、証明資料は疎明で足り、判決言い渡しは、審問終結の日から5日以内にすることとされ、子どもの身柄確保のため、拘束者に対し、子どもを出頭させることを命じ、これに従わない場合は、勾引、勾留を行い、または過料の制裁に処し、子どもを隠匿したり、釈放、引渡しを命じる判決に違反した場合は、刑罰が科されます。
別居の際に、子どもを夫婦のどちらが主に養育監護するのか協議が整わない場合に調停や審判で監護権者を決めることができます。
子どもの引渡し請求と併せて申立をすることも多いようです。
また、監護者に指定されると親権者となる可能性が高くなりますので、事前に対策を考えておきましょう。
●お客様の声に監護者指定審判の経験談があります。この経験談は現場の様子がリアルに記載されているので参考になります。
経験談:監護者指定審判
経験談:親権(監護権)の重要なポイント
ただし、子の引渡しの審判前の保全処分の保全執行は、申立人に対して保全命令が送達された日から2週間を経過したときは、これをすることができないので注意が必要です。
執行場所は原則として自宅です。
これまでは保育園や小学校、通学路でも執行が行われていましたが、子どもに悪影響を及ぼすことからルール化が行われました。
平成25年5月中にも最高裁が全国の裁判所に周知するとのことです。
なお、執行は、執行官の他、解錠技術者、警察官が同行することもあるようです。
■お客様の声
- 夫が二人の子どもと信頼関係を築いて親権者となり裁判離婚をした事案。(40代男性)
- 夫が1歳の子どもの親権者となり協議離婚をした事案(33歳男性)
- 父親が4歳の子の親権者となった経験談(37歳男性)
└親権について考える
└監護者指定審判
└親権(監護権)の重要なポイント
└離婚裁判へ
└本人起訴を考えている方へ - 親権者からの相談・面接交渉権・お客様の声(東京都・33歳・男性)
- 監護者を夫として調停成立したお客様の声
- 妻からの身体的DVから脱出し,3人の子どもの親権者として調停離婚を成立させた事例
- 協議離婚で親権者と監護者を分けたケース(千葉県・36歳・男性)
- 協議離婚で父親が親権者となったケース(神奈川県・30代・男性)
- 離婚調停で父親が親権者となったケース(広島県・43歳・男性)
- ■コラム
- 子どもの海外連れ去り防止方法
- 調査官調査の子どもへの手紙
- 面会交流のしおり(名古屋家裁)
- 韓国の養育手帳
- 親の紛争が子どもの発達に与える影響
- 具体化しない離婚【調査官が調査をしない事例】
- 柔軟性や理解力を欠く親【調査官が調査をしない事例】
- 別居後自宅の鍵を替えられて不安になった子ども【調査官が調査をする事例】
- 子の深刻な状況に気づかない親【調査官が調査をする事例】
- 兄弟分離【調査官が調査をする事例】
- 双極性障害の妻【調査官が調査をする事例】
- 面会交流の意義
- 離婚と子どもの姓
- 親権争いになるケース
- 父の暴力に複雑な思いを抱く小4と小2の兄弟
- 境界性人格障害の母と発達障害の小3男児
- 面会交流支援
- 国際離婚と連れ去り大国
- 養育費で面会強要
- 親権と偽DV
- 目の前親が奪い合い
- 母の影響を強く受けた小5男児
- 面会交流のリーフレット
- 主たる監護者と離別した3歳女児
- 子どもの直接強制
- 離婚と親権〜奪取の違法性〜
- 離婚と親権〜子どもが希望したとき〜
- 離婚と子ども(4)思春期
- 離婚と子ども(3)9〜12歳
- 離婚と子ども(2)5〜8歳
- 離婚と子ども(1)就学前
- 親権喪失宣告の覚書
- 面接交渉調停を考えている方へ
- 私のお父さん(10年目の再会)
- 面接交渉について
- 片親引き離し症候群
- ブラジルの共同保護法案
- 子どもの奪い合い
- 思春期の子育て
- 子の監護に関する処分
- 離婚・子ども・BPD
- 北海道親殺し事件と離婚
- 子どもの親権及び監護に関する実態調査及び研究
- ■離婚問題Q&A
- 養子縁組の効果
- 監護の割合によって婚姻費用算定表を修正した判例
- 別れた父親の探し方
- 娘に会いたい
- 子どもの姓と戸籍の関係
- 離婚原因と親権
- 親権の問題で 教えていただきたいのですが
- 離婚の際の親権と財産分与について
- 親権者変更の基準となる内容
- 監護者の児童扶養手当てについて
- 離婚の際の親権について
- 親権者を分けたときの養育費
- 児童扶養手当額の計算方法
- ■親権監護権の判例
- 2020裁判例索引(親権者変更)
- 2020裁判例索引(監護者指定・子の引渡し)
- 2020裁判例索引(審判前の保全処分)
- 監護者がきまらず親権者だけを決めて協議離婚をした後の監護者争い
- 審判前の保全処分(子の引渡し)の要件
- フレンドリーペアレントルールが採用された松戸の判決
- 離婚後に夫が妻側の親族との関係を良好に保ちつづけ親権者変更
- 夫が子どもを連れ戻せた判例(福岡家裁平26.3.14)
- 面会交流不履行で父親に親権者変更(福岡家裁)
- 子の祖母が監護者に指定された判例
- 養護施設に入所中の子と父の面会交流
- 「子どもが面会を拒否している」という主張
- 生活保護で母子生活支援施設の母親の申立てを却下(大阪高決平20.9.1)
- 養育環境に不安(広島高決平19.1.22)
- 子どもの意思と監護者指定(大阪高決平20.11.25)
- 不貞行為と親権(大阪高決平22.1.15)
- 離婚後に親権者が死亡(佐賀家唐津支 平22.7.16(審))
- 国際離婚と親権(横浜家小田原支 平20(家)1282号 平22.1.12審判認容(確定))
- 子の連れ去り国際離婚と人身保護請求(最高(二小)平22.8.4(決))
- 母から父への親権者変更(福岡高那覇支 平22.2.23(決))
- 子どもが父に対して持つ複雑な感情(東京家平22.5.25(審))
- 矛盾を含みながらも子どもが親を完全拒絶(さいたま家平成22.6.10(審))
- 真実に反する認知(大阪高 平21.11.10(判))
- 父が子の財産を借金の返済に充当(高松家 平20.1.24(審))
- 治療拒否の親権停止(津家 平20.1.25(審))
- 中国の子の撫養に関する判決を日本の審判で代行前橋家 平21.5.13(審)
- 金銭管理能力に不安でも監護者変更(横浜家 平21.1.6(審))
- 執行官の処分に対する執行異議事件
(東京地立川支 平21.4.28(決)) - 面接交渉が実現しないので3歳の子を保育園から連れ去った事例
(東京高 平20.12.18(決)) - 子の引渡し間接強制・子どもの年齢と意思
(東京高 平20.7.4(決)) - 監護権を侵害した違法状態を継続している場合(札幌高H17.6.3(決))
- 親権者である母と認知した父の子の引渡し保全処分
- 祖父母による監護者指定と子の引渡し(認められなかった判例)
- 親権と監護権が分属している場合の権限
- 現状維持(?)で父親に監護者指定
- 子どもの連れ去りと取戻し(大阪高H17.6.22(決)
- 子の奪取 負の連鎖(東京高H17.6.28(決)
- 別居中の子の無断連れ去り→審判却下→即時抗告(仙台高秋田支H17.6.2(決))
- 共同親権者の未成年者略取
- 未成年者を伴って一方的に別居した妻が申し立てた自己の住所地への離婚訴訟の移送の適否
- 未成年者の心情の成長にとって重要であるとして、抗告人との直接の面接交渉を認めた事例(大阪高 平21.1.16(決))
- ■離婚の資料
- 子の返還手続き要綱(ハーグ条約)