親権について考えたとき、『子どもが希望している』ことをどのように考えるか就学前の幼児の場合には、以下の判例が参考になります。
東京高決平11.9.20(家裁月報52.2.163)
「5,6歳の子どもの場合、周囲の影響を受けやすく、空想と現実とが混同される場合も多いので、たとえ一方の親に対する親疎の感情や意向を明確にしたとしても、それを直ちに子の意向として採用し、あるいは重視することは相当でない」
子どもの意思や意向は、子どもの年齢によって受け取り方が違います。
・子が15歳以上の場合、家裁は子の陳述を聞かなければならない
・9〜10歳以上であれば、子の意思は尊重される
私見ですが、思春期前の子どもの場合、別居親の方が良いといい続けることは難しいと思います。
やはり一緒に暮らしている親の意向の影響を受けますし、子どもが同居親に反発したまま生活することは難しいでしょう。
別居初期の頃に、子どもが「一緒に暮らしたい」と言ったとしても、数ヶ月経過するうちに変化していくことが多いようです。
過剰反応をして「洗脳だ」と主張しすぎてしまうと紛争が激化してしまい、子どもに自筆で「お父さん(又はお母さん)と会いたくありません。」などという手紙を書かせる事態になるケースも珍しくありません。
子どもはどんな気持ちでこれを書くのか、それを思うと辛くなります。