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審判前の保全処分(子の引渡し)の要件


1.高裁が保全処分を否定した判例
父が2歳の子どもを連れて実家に戻る形で別居をしたところ、母が子の監護者指定と子の引渡しおよび保全処分を申し立て、審判では子の引渡しの保全処分が認められたのですが、夫が抗告をしたところ、高裁は子の引渡しの保全処分を取り消した事案です。

原審判では、同居中の監護状況には父と母では大きな差異があり、妻が主たる監護者であること、妻と子の面会交流が遮断されていることが相当でないこと、妻と離れていることによる子の精神的な打撃が大きいことなどを理由として、妻の審判前の保全処分を認容した。

高裁は、審判前の保全処分は、「強制執行を保全し、又は子その他の利害関係人の急迫の危険を防止するため必要があるとき」という要件を充足する場合において認められるべきものであるところ、

本件においては、現在、夫は両親の援助を受けて子を監護養育し、その監護状況に格別の問題があることが窺えず、子に対する急迫の危険が現在していると認めるに足る証拠もないとした。

また、妻が同居中の主たる監護者であることは認めつつ、夫が面会交流の必要性、重要性を否定しているものではないこと、夫が子を実家に連れていった経緯については、当事者間に争いがあり、少なくとも、その態様に、現状を継続することが法的正義に著しく反するものであり、本案の審判を待つことが明らかに不当というべきほどの違法性があったとまでは認めることができないとした。

東京高裁 H27.2.26決定 事件番号 平成27年(ラ)109号

2.その他、審判前の保全処分を否定した高裁決定
東京高裁 平成24年10月18日判時2164号55頁
東京高裁 平成15年1月20日 家月55巻6号122頁

3.審判前の保全処分を認めた高裁決定
東京高裁 平成20年12月18日 家月61巻7号59頁
非監護親が子を保育園から無断で連れ出した事案で、子の連れ去りの違法性が顕著であるとされた。

4.保全が必要性が認められやすい場合
監護親による子への虐待やネグレクトが認められたり、監護親の監護に起因して子が情緒不安を起こしたりしている場合、別居後に一方の親が監護している子を他方の親が実力行使で連れ去るような、監護開始の悪質性が顕著な場合などが認められやすい傾向があると考えられている。

家庭の法と裁判2017.8−83頁

日時:2017年3月 8日 11:37
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