日々の離婚相談の中で、ダントツに多いのが、子どもに関する問題です。
平成16年の調停事件でも、圧倒的に多いのが、子の監護に関する処分となっています。
既済件数22,379件、調停成立12,910件、調停不成立2,551件、取下げ6,049件でした。
離婚問題に直面した夫婦は、疑心暗鬼になってしまい子どもの奪い合いや面接交渉の拒否など、子どもの気持ちは放たらかしで、親同士が争っていたりします。
でも、自分たちの子どものことを、裁判所に決めてもらっても納得できるのでしょうか?
自分の思った結果にならなかった場合には、納得などできるわけがありません。
争いが激しくなればなるほど、その弊害は子どもに降りかかります。
子どもにとって、親が世界のすべてです。
子どもは、自分自身の不安に蓋をしてまでも、親のことを心配しています。
親をこれ以上悲しませないように配慮しています。
大人は、世間のしくみを知っています。相談窓口も多数あります。
しかし、子どもは生きていく術も、世間のしくみも知りません。
直面した不安は、大人の何倍も大きいものです。
冷静になって、子どもの心に耳を傾けてあげて欲しいと切に願っています。
元記事 2006.03.02 Thursday / 阿部マリ