離婚・子ども・BPD

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離婚・子ども・BPD
離婚が子どもに与える影響を調べてみると、BPDやPASなど共通する要素が多々見受けられます。
離婚そのものが与える影響というよりも、親としての子どもへの係わり方が重要であると考えられます。
参考:乳幼児の心理的誕生―母子共生と個体化 精神医学選書より
分化期(生後5ヶ月〜8ヶ月)
幼児は親とは区別された世界を認識しはじめ、環境に反応して(主な対象は母親)「社会的微笑」を見せるようになる。
この段階の終わりごろには、「人見知り」が始まります。
親との関係が安心できるものであれば、知らない人への反応は好奇心が主体となり、親との関係に支えられるものがない場合には、他者に対して肯定的な感情と否定的な感情を区別するという、相矛盾する感情がうまれます。
練習期(8ヶ月〜16ヶ月)
幼児が親から離れる能力を高めていく時期です。最初は、ハイハイで、次に自分の足で立って、親から遠ざかることができるようになってきます。このような短い別離の合間には、たびたび「確認」と「勇気の補給」のために親の元へ戻ってくる行動がみられます。
再接近期(16ヶ月〜25ヶ月)
子どもが独自のアイデンティティを認識するようになる時期。親に再接近して自分を受け入れてほしいという欲求を通じて、親も他の人たちも、自分とはべつの実態を持つ人たちであることへの認識がつくられていきます。
正常な2歳児は、親と強い絆で結ばれています。
一時的に親から離れることを学び、再び親の元へ戻ってきた子どもは、分離を果たした満足感と共に怒りの感情も覚えます。この時期の親の役割は、個体化しようとする子どもの挑戦を応援すると同時に、子どものための安定した愛情の補給基地になるということです。こうした子どもの気持ちに共感し、怒りに対しても受け入れてやるということです。
離れたり戻ったりを何度も繰り返しながら、子どもは持続的な自己概念や、親への愛情と信頼感、周りの人たちへの健全なアンビヴァレンスを育んでいきます。
この時期に親が、早すぎる段階で子どもを遠ざけて親と一緒になろうとする気持ちに水を差したり、べったりとした共生関係に執着するなどの態度をとると、子どもは見捨てられることと呑み込まれてしまうことの両方もしくはどちらかに対し、強い怖れを抱き、情緒的に分離できないままで成長していくことになってしまいます。
対象恒常性の段階(25ヶ月〜36ヶ月)
この段階では、親の不在がただちに親の喪失を意味するものではないということを認識するようになっていきます。
こうした不安定な心の状態や欲求不満に耐えることを学び、親が怒ってもそれは一時的なものであることを理解できるようになってきます。また、自分が怒りを表しても親が消滅する心配がないこともわかり、無条件の愛情で受け入れてもらうことを喜べるようになり、分かち合いと共感の能力を育んでいきます。発達しつつある自意識から生じる自己批判の要素を伴いながらも、自己像もいっそう肯定的になってきます。
この発達段階の子どもの支えになるのが、いわゆるライナスの毛布(移行対象と呼ぶ。)です。子どもは分離の不安を癒してくれる移行対象を、親のかわりにどこでも持ち歩きます。子どもが自分の内に安心できる親のイメージをもち続けることができるようになると、移行対象も徐々に必要とされなくなります。
離婚後の家庭は、圧倒的に母子家庭となっています。
育児に関して、父親と母親が同等に係っている状況では、離婚は子どもにとっていっそう辛いものとなります。
このような状況で育った子どもにとっては、離婚に伴い失うものが大きく、打撃となります。
離婚の影響を考察する研究は、就学前の子どもに、見捨てられることへの不安に裏付けられた強い失望感、困惑、退行、極度の分離不安が見られることを共通して報告しています。
思春期・青年期に抑うつ状態に陥ったり、反社会的な態度を示すこともあります。
非監護親が、自分の孤独感と喪失感を癒すために子どもと過ごす時間を増やしたいと要求することがありますが、母親と父親の狭間で、子どもが両親の恨みや苦しみを受け止める役目となってしまうことがあります。
離婚後も、子どもに係わりつづけるのであれば、親としての責任と自覚をしっかりと持ち、自分の再婚などがあっても、継続して係わり続けることが重要です。
親権争いなどの場合、子どもが裁判所に引っ張り出され、陳述を強要されることもあります。このような状況では、子どもは圧倒的な無力感(自分の陳述にかかわらず争いが続くこと)もしくは、自分の力に酔う(陳述の内容が争いに影響を及ぼすこと)のいづれかの気持ちになることがあります。
また、どちらからも見捨てられるような不安な気持ちにもなります。
《父親不在症候群》
母子家庭となった母親は、自分が理想的な親となってその埋め合わせをしようと努力し、子どものあらゆる面に気を配りますが、そのため、子どもは必然的にアイデンティティを発達させることが難しくなります。男性モデル(父親)がいない母子の関係は、緊密になりすぎて健全な分離を損ねることもあります。
母親は、たいてい不在の父親役まで補おうとしますが、実際には父親不在のかわりを果たそうとするのは子どもの方であることがめずらしくありません。父親がいないという状況のもとでは、母子の共生の度合いが大きく増幅されます。子どもは母親を理想化して見ながら、いつでもその母親を喜ばせたいという幻想を抱いて成長し、他方、母親の方も子どもにいつまでもしがみつきながら、子どもの成長と個体化を阻むことになるかもしれません。
《自己愛的な親》
自己愛的な親は、子どもを独立した1人の人間としてではなく、自分の分身もしくは、所有物として捉えてしまうため、子どもは情緒のない係りに苦しんで、肥大化した自己愛、子ども返り等の防衛機制を用いたり、自己概念を失ったりするといった問題が生じてきます。 虐待の中でもいちばんひどいのがネグレクト、無視することであるといわれています。
《身体的虐待を受けた児童にみられる特徴》
無気力、抑うつ、親しい対人関係を築けない、多動や激しい癇癪などの行動上の問題(ADHD など)、衝動性のコントロール機能の弱さ、攻撃性、同世代の仲間とうまく係り合いをもてない問題等。
《子どもへの精神的虐待》
・蔑み:つねに子どもの成し遂げたことをけなし、間違ったことを何倍にも誇張して責めたてる。やがて子どもは、自分はどうしようもない価値のない人間だと思い込む。
・無関心:子どもの成長に関心が薄く、必要とされるときにも愛情を与えない、精神的なかかわりを持たない態度。
・支配:子どもを支配するために脅しを利用する。
両親の不在や無関心、親との長期間の別離、拒絶、愛情飢餓、常習的な虐待(中でも深刻なのがネグレクト)など。また、親が不幸だという姿を子どもに見せ続けている(あんな人と結婚しなければよかった、この結婚は失敗だった、など子どもに不幸な親像をみせるということも虐待の一種です。)、家族の悪口を子どもに聞かせるなど。
0歳から5歳くらいまでの幼児に必要なのは、親との基本的信頼感であり、この関係に安心感がもてないと、不安や不信が克服できず、その後遺症は思春期にやってきます。
《BPDと虐待》
BPDの人が受けた虐待は、精神的虐待の割合が多くみられます。
精神的虐待(言葉による虐待と心理的な虐待)にくらべれば、身体的虐待のほうが過激な性質を持っていますが、精神的虐待を受けた子どもは、自分を尊重する気持ちを完全に失ってしまうこともあります。