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境界性人格障害の母と発達障害の小3男児


境界性人格障害の疑いがある母を親権者とすることに不安を感じる方は少なくありません。
婚姻期間中に父に向いていた敵意が離婚後は子どもに向かうのではないかとの不安、子どもを置いて夜中に出歩くのではないかとの不安、朝起きて子どもに身支度や食事を与えることができるのか不安、などの相談があります。

本ケースでは、調停での父の照会書の回答内容から、父が親権を強く望んでいること、母には人格障害が疑われること、長男に対して心理的虐待があったこと、父が母に内密で長男を精神科に連れて行ったところ広汎性発達障害の疑いがあると診断されたことなどが記載されていたことから調査官が初回期日に出席することになったものです。

阿部マリ


家裁月報63-12-117

母から父に対して離婚を求める調停。夫婦の間には、小3の長男がいる。
申立後に、母子は実家に行き母方祖父母と同居、父は公営住宅に引っ越した。
別居後、週1回、父子は面会を続けている。

申立書によれば、母が離婚を求める理由は、父の浮気、暴力及び暴言であり、長男はいつも泣いているという記述もあった。
なお、父は、約1年前から無職で現在は生活保護を需給しており、母は別居後パートで働きつつ母方祖父母からの援助を受けていた。

手続選別では調停先行であったが、父の照会書の回答内容から調査官が初回期日に出席することになった。
同照会書では、父は、親権、監護権を強く望んでいること、母には人格障害が疑われること、長男に対して心理的虐待があったこと、父が母に内密で長男を精神科に連れて行ったところ広汎性発達障害の疑いがあると診断されたことなどが記載されていた。

初回調停期日で、母は、父の暴力は長男にも及んでいたと訴えた。
一方、父は、母の奇異な行動や、母が長男を責め怒鳴り続けたことなどを挙げ、離婚には応じるが長男の親権は譲れないと主張した。

第2回期日でも双方の主張は変わらなかった。
双方ともかたくなであり、長男がどう感じているかという視点から現状を捉えなおすことができていなかったこと、子の福祉が害されている懸念もあったことから、調停委員会は子の調査を実施することとした。

調査官から父、母に、「これまでのところお二人の主張はかけ離れています。ここで調査官が長男と会って、気持ちを聴いたり様子をみたりして、それを調査官からお二人に伝えることで、どうすることが長男の福祉につながるのかを調停で考えてみたいと思いますが、いかがですか。長男に親権者を選ばせるのではありません。子の立場からも考えてみるようにしませんか。」と働きかけた。
父は、自分の主張が変わるかどうかわからないが、どこかの段階で子の意向や気持ちを聴いて欲しいと思っていたので、調査を希望すると答えた。
母も調査を了承した。
調査官からは、父母に対して、裁判所で父と母が離婚について話し合っていること、父と母の離婚は子にも関係すること、裁判所の人が子の話を聴きたいと言っていることを子に伝えておいてほしいと伝えた。

期日間調査では、家庭訪問をしての長男との調査面接、その前後に母、父との調査面接を行った。
家庭訪問前に長男宛に、調査官が調査に行くことや話をする目的、内容等について書いた手紙を送った。

家庭訪問した最初の5分、居間で母子と話しをした。
長男と母は目を合わせることがほとんど無かった。
長男の話し方は、文章を棒読みするように抑揚がなかった。

その後、長男の部屋で話しをした。
ひとしきり机の上にあった漫画の話をした後、誰が来ると聞いていたのかを尋ねると、「偉い人が来る。」と父母から聞いていて、正直に話すよう言われていたとのことであった。
調査官から、手紙の内容に補足して面接の目的等を説明した。
父、母から調査官に話しておいた方がよいと言われていることはないかと尋ねると、「ありません」とのことであった。

長男は、父、母、長男の絵を描き、その説明をしているとき、自分の願いを話し始めた。双方の祖父母、母、父みんなで一緒に暮らしたい、楽しいと思うからということであった。
調査官から、母と父が現在別に暮らしていることを確認したり、別居のいきさつを尋ねたりしても、母は嫌がっているが、長男としては皆で暮らしたいと思っていると繰り返した。
面接の終わりに、父母に伝えてほしくないことを確認したところ、特にないということであった。
最後に、事前に送った手紙に調査官の電話番号が書いてあるので、また言いたいことが出てくれば、電話をしてもらってよいと伝えた。

家庭訪問後、再度、母、父と調査面接の機会を持った。

長男が、けんかをせずに皆と一緒に暮らしたいという思いを持っていることを伝えたが、母の離婚意志は固かった。
これを踏まえ、調査官は、医師による診断の結果等から長男に発達障害が疑われることを伝えたうえで、そうした長男のケアのためにできることについて問いかけると、長男の発達状況をどう理解するかについては母も一応納得したものの、専門家の援助を受けさせる必要はないと主張した。

同様のことを父との面接でも話題にした。
父は、長男が皆と一緒に暮らしたいという思いを持っていることについては、納得し、自分が引き取ったばあいは母子の面会交流を頻繁に認めたいと述べた。
また、父は、長男の発達状況に関する見立てについても受け入れ、まずは自分がその対応を勉強したいと話した。

報告書での調査官意見としては、1年以上無職で生活基盤の整っていない父の状況を考えると、少なくとも現状では現在の監護体制を継続するしかないこと、母の下での生活は母子間の情緒的な交流に課題があることから、父子間の面会交流を通常よりも密に実施していくことが重要であること、それが長男の「皆と一緒に暮らしたい」という希望に少しはかなうこと、さらに、長男には発達障害の疑いがあるので、双方が協力、役割分担して速やかに専門家のケアを受ける態勢を整える必要があるとした。

調査官の意見を母と父に伝えた結果、当初、母は、無断で長男を精神科に連れて行った父への不信感から、長男に専門家のケアを受けさせる必要はないと反発した。

しかし、調停を重ね、母に調査官から主に長男の課題について伝え、調停委員から専門家のケアを受けることの長男にとっての利点を伝えたところ、母は調停の期日間に長男を相談機関に連れて行くようになった。

日時:2012年5月 2日 16:37
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