【お客様の声】
交際直後はうまく行っていましたが、すぐに怒りが出始めました。
私が自分の友人と会おうとしただけで激怒し、SNSやLINEなどのアプリも監視され自由に連絡を取ることができなくなりました。
怒りが爆発すると徹底的に私の性格を否定し、罵倒は夜通し続きます。
眠りに落ちようとすると目覚めるまで声を掛けられ続け、眠ることは許されませんでした。
「さっさと結婚しないから不安が払しょくされず怒りが止まらない」と言うので早急に結婚を進めましたが、結局、入籍の翌日には「ぜんぜん幸せじゃない」と言って暴れ出します。
結婚後、盆・正月に実家に帰ることも許されない状態になり、罵倒だけでなく暴力を振るわれるようになりました。
日によっては刃物を持ち出されることもありました。
精神的な限界を感じ、会社のメールを使って友人や親に連絡を取ったことで、状況の異常さを自覚することができました。
すぐにネットでDV・モラハラについて調べ、最初は会社の電話で行政の窓口に電話しました。
ですが、ケース自体が珍しいためか逆に向こうからアンケートを受けているような会話になり、ほとんど有効な助言はなく失望が大きかったのを覚えています。
次に法テラスに行きました。弁護士は心情に寄り添って話を聞いてはくれましたが、「裁判になった場合」のアドバイスだったため、「暴力を振るわれても我慢して録音・録画をすること」など、自分にとっては非現実的なものでした。
その後、阿部先生のホームページを見つけて事務所に伺ったところ、「今すぐ家を出ても問題ない」ということを言われて驚きました。
相手は自殺示唆も多かったため、もし自殺した場合の対応をどうするか、自分の中で覚悟を決めるまでに少々の時間がかかったのですが…。
家を出てからは幸い自殺もなく、調停の手続きを進めて短期間で離婚を成立させることができました。
最後に、彼女との日々は常軌を逸した状況で、結婚前は何度か別れ話も持ちかけたのですが、別れることはできませんでした。
私が抜け出せなかったことはいくつか理由があります。
・仕事やプライベートで、ちょうど自分自身の性格に直すべき点があると感じており、まさに彼女がそこを徹底的に否定し罵倒してきたため、彼女は正しく、自分自身が悪いのだと思ってしまったこと。
・交際前、本人は自分が問題を抱えている自覚があったことなどから交際を迷っていましたが、私がその心情を十分に理解せずに継続して交際を申し込んだことから、「彼女は自分でちゃんと僕に伝えていた。それを軽んじた自分が悪い」という罪悪感を強く持っていました。
・ネットで調べていたときに、DV・モラハラを受けている男性の特徴として「自分しか彼女を救えないと思い込んでしまう」という記載がありました。
しかし自分にはそういった思い込みはなかったため、世の中でいうDV・モラハラ事案には該当しないのではと思ってしまいました。
阿部先生に相談したことによって、これら自分の感情や思考が正常ではないということに気づかせていただいたり、罪悪感の受け皿を用意したりしていただけたと思っています。
ありがとうございました。
【阿部コメント】
1.妻から夫への暴力
結婚後ただちに妻から夫への暴言が激しくなり、1か月後には妻から夫への身体的暴力が始まりました。
ただ、安定しているときの妻は穏やかで過剰なまでに尽くしてくれる面もあり愛情を感じていたといいます。
2.身体への影響
いつ妻の怒りのスイッチが入るかわからない緊張した状態によって、夫は眠れなくなり頭痛がして感情が鈍化していくような感覚が生じるなど身体症状が現れてきました。
仕事のミスも増えてきたことで、仕事に影響する前になんとかしなければと思い立ち、別居を考えるようになります。
3.別居
阿部オフィスに相談されて別居の準備をしていたところ、妻が怒りをぶつけてきたタイミングで夫は家を出てそのまま別居をしました。
そして、妻の実家へ出向いて、別居の報告と妻との連絡仲介をお願いしたのですが、家に戻るよう説得されてしまい、仲介の希望は叶いませんでした。
4.離婚成立
ところが、別居から3か月後、互いに金銭の請求をしない条件で離婚が成立しました。
妻は、夫から慰謝料請求されることを恐れていたようで、互いに金銭の請求をしない条件に即応じたのでした。
5.阿部コメント
・夫は、ごく早期(暴力開始から1か月経過頃)から友人や親に妻から受けている暴力について相談をしていたため、客観的な判断基準を保てていたものと思います。
・男性は仕事に影響が出始めると、別居なり離婚なりの決断を下す傾向があります。
別の言い方をすれば、自分自身の苦痛は極力我慢する傾向があるということです。
我慢をしすぎると自己喪失を招き、自分に対する自覚度が減っていくので注意して下さい。
・妻は夫と別居をしてから約3か月の間に、あれこれ思いを巡らして夫が自分を攻撃してくる恐ろしい人というイメージを作り上げて結論を出したのかもしれません。
同じように短期で離婚が成立したケースに以下のものがあります。
これらも別居後の空白期間によって、妻が早く離婚をして安心したいという気持ちになったようです。
境界性人格障害の妻との閉ざされた世界(37歳・男性)の経験談