面会交流が子どもに与える影響について、心理学観点からの実証的研究は日本では少なく、米国は多い。
そこで、米国研究の心理学知見からみた面会交流の意義(kelly,J.B&Emery,R.E)を家裁月報64-7-46から抜粋してご紹介します。
離婚の有無によらず、父母双方が適切な子育てをすることが大切なんですね。
そして、離婚家庭の場合には、非監護親と子どもの接触が少ないので、意識して子育ての関与方法を考えていかなくてはならないのだと思います。
それが面会交流です。(阿部が理事をしている面会交流支援NPOびじっとも面会交流=子育て支援としています。)
●父と定期的に交流して父母双方と良い関係を維持していた子は、他の子と比較して、自我機能が良好であり、自己評価が高く、離婚を原因とする抑うつ状態に陥ることがなかったが、逆に接触がない又は少ない子は、失望、孤独感、無力感、怒り等の感情を抱きがちであった。
●離婚した父と子の接触については、一般に、頻度よりも質が重要とされている。
たとえば、離婚した両親間の紛争性が低い場合は、父と子の頻繁な接触は、子どものより良い適応と関連していたが、親同士の紛争が激しい場合には、頻繁な接触は逆に適応の悪さに結びついていた。その原因は、親同士の扮装が激しい場合、頻繁な接触により、子どもが親の攻撃性やプレッシャーに直接さらされる機会が増えてしまうためと推測されている。
また、非監護親が親として積極的に関与し、子の父と近しい関係を築けているといった条件の下においては、父子の頻繁な接触は、ポジティブな効果をもたらしていた。
● 父が、適切な養育態度をとり、かつ、子どもに対して相応の期待を抱いている場合において、宿題や取り組みをよく手伝っていれば、その子どもは、父の関与の少ない子どもに比して、よりよく適応し学業成績も良かった。また、親の学校活動へのより積極的な参加は、学業成績の良さ、単位の取り落としの少なさ、登校停止措置の少なさと関連があった。
●父が、単に子どもと触れ合おうとするだけでなく、子どもに対して経済的なサポートも併せて行っていた場合、子どもの高校卒業及び大学入学の可能性が高かった。