『離婚を経験した子どもたちは、人間関係のもろさを学んでおり見捨てられることを恐れている。』
60組の離婚夫婦とその子どもたちを15年にわたり追跡調査したウォラースタイン博士は離婚に際して子どもが示す反応を年齢別に説明しています。
離婚が子どもに与える影響についてどの親も悩むものです。
とても参考になるので、「就学前」「5〜8歳」「9〜12歳」「思春期」と4回に分けて紹介します。
●就学前
就学前の子どもは、身体面での保護を親に一任しているため、見捨てられることへの不安がきわめて強い。
幼いために時間の観念がなく、物事の因果関係がわからない。
ごく単純に、両親の一方がいなくなるなら、もう一方も突然いなくなるに決まっていると考える。
時間の観念を欠いているため、「パパは来週の月曜日に来るのよ」といわれてもピンとこないし、方向感覚も未発達であるため、父親の家を訪ねたときに、母親の家に戻る道を確実におぼえているとは限らない。
ヘンゼルとグレーテルのように、就学前の子どもは、帰り道が分からなくなることをいつも心配している。
依頼心が強く、不安を抱え、家庭内の出来事をよく理解できず、気を紛らすこともできないために、就学前の子どもは離婚に対して激しい反応を示す。
昼夜の別なく、二親と離れて過ごすのをいやがることもあり、とくに、自分を扶養してくれる親には目の届くところにいてもらいたがる。
落ち着きがなくなり、熟睡できなくなる子どもも多い。
赤ん坊の頃の癖が戻って、指をしゃぶったり、寝小便をしたり、ねんねタオルを手放せなくなったりすることもある。
幼児の場合は、徐々に気むずかしくなるおそれがあり、年下の赤ん坊をぶったり、遊び相手を殴ったりする。
また、彼らはよく、自分が悪い子だったから両親が離婚したのだと思い込み、内向的になることがある。
(セカンドチャンス離婚後の人生、ジュディス・S・ウォラースタイン著、草思社)
確かに、私が経験した中でも「自分が悪い子だったから両親が離婚した」と思い込んでいる就学前の子どもは沢山いました。
幼い子どもは自分が世界の中心なので、何か事が起きればそれは自分が原因だと考えるようです。
あなたは悪くないんだということを言いきかせて安心させて下さい。
阿部マリ