離婚相談というものは、夫婦関係の不満を聞いていくことになりますから、男女の愛情表現について考える機会が多くなります。
不満の多くは、見返りを期待することによって発生しているように思います。
「私がこれだけしてあげているのだから、このぐらいしてくれてもよいのに」
(相手に何かをしてあげるときは、自分がしたいからするのであって、思ったような結果にならなくても、自分がしたかったからと自己責任を持てば不満につながらないのでは?)
「なぜ●●してくれないんだ」
(したくないことはやらない、してくれなくなった原因があるのでは?)
「あなたのために●●してあげたのに」
(頼んでおりません。)
「なぜわかってくれないんだ」
(わかりたくないから)
見返りを期待して行動すると、相手が思ったとおりの反応をしてくれないと不満につながります。
すると、権利だの義務だのと言って相手を縛りつけようとしがちです。
不満だらけになって、眉間にシワを寄せた配偶者の元へ帰りたいと思うでしょうか?
家庭の数だけ愛情表現があります。
しかし、自分の言動に責任を持つ覚悟ができれば、もっとシンプルに愛情を表現できるのではないかなと考えます。
言い換えれば自分がシアワセでいられるために見返りを期待しない。
・この人と一緒にゴハンを食べるとシアワセな気分になる
・この人と一緒にテレビを見てると楽しい
・この人と一緒に旅行に行くとウキウキする
・この人と一緒にお酒を飲むとリラックスする
・この人とセックスすると気持ちいい
したいからする。シアワセは、そんなに高いところに置いておくのではなくて、もっと身近にいっぱいころがしておいてもよいのではないでしょうか。
少なくとも眉間にシワを寄せている人生よりも。
元記事/2006.06.19 Monday/ 阿部マリ