専業主婦の期間はなく、夫婦ともども共働きでやってきました。年金分割制度では共働きの場合、専業主婦より年金の額が少ないのでしょうか? また、離婚と年金分割手続きを進めるにあたってのポイントなども教えてください。
男の離婚相談からの回答
婚姻中の夫婦が得た給与所得は基本的にその夫婦が共同で得たものであり,納付した保険料はその夫婦が共同で負担したとの考えが年金分割で,標準報酬の多い人から少ない人へと分割します。
【ご夫婦とも厚生年金加入の場合】
双方の標準報酬記録を足した合計の2分の1を上限にして年金の按分割合を決めます。
例)
夫:標準報酬記録6500万円(合計に対して65%)
妻:標準報酬記録3500万円(合計に対して35%)
夫+妻の合計:10000万円
合計の2分の1:5000万円(合計に対して50%)
多い人(夫)から少ない人(妻)へと分割するわけですから,35%〜50%の範囲で按分割合を定めます。
専業主婦の場合は,0%〜50%の範囲で按分割合を定めるわけですから,専業主婦のほうが得に見えるかもしれませんが,比較するものでもありません。
【離婚と年金分割の流れ】
双方が離婚条件に合意できた場合,年金分割を請求するためには,公正証書(又は社会保険事務所でそれに代わる書類)を作成する必要があります。
公正証書には,年金分割だけでなく,養育費や財産分与等も記載できます。
話し合いで離婚条件がまとまらなければ,調停を利用します。
【注意点】
3歳未満の子を養育する人の標準報酬月額を保護する特例(厚生年金保険法第26条の特例)が受けられる方は,その手続きの後に,按分割合を定めましょう。
All About 回答/2007.08.27/阿部マリ