間接強制申立事件 横浜家川崎支平19.1.10(決)
家月60巻4号
【婚姻費用分担事件の執行力ある調停調書正本に基き、一時金及び1日につき2000円の間接強制金の支払を命じた事例】
婚姻費用分担事件の執行力ある調停調書正本に基き、婚姻費用の未払分(120万円)の支払を命じるとともに、一定の期間内に同金員の全額を支払わないときは、一時金(24万円)及び支払済みまで4ヶ月を限定として、1日につき2000円の間接強制金の支払を命じた事例
主文
1 債務者は、当裁判所平成8年(家イ)第××号婚姻費用分担調停事件の執行力のある調停証書正本に基づいて、この決定の送達を受けた日から30日以内に、債権者に対し、120万円(ただし、平成18年4月5日支払い分から平成19年1月5日支払い分までの婚姻費用分担金の合計額)を支払え。
2 債務者は、前項の期限までに前項の金銭を支払わないときは、債権者に対し、24万円を支払い、かつ、支払い期限の日の翌日から4か月の間、遅滞1日について2000円を支払え。
…………
理由一部抜粋
債権者は、これまで債務者から月額12万円の婚姻費用分担金の支払いがなされることを前提として、2人の未成年者を育てながら生計を維持してきたのであって、
この婚姻費用分担金の支払いがなされない場合においては、生活が困窮するなど大きな不利益を蒙ること明らかである。
他方、債務者は、平成10年2月の上記調停成立後、月額12万円への減額はあったものの、平成18年3月分までは婚姻費用分担金の支払いを継続してきたにもかかわらず、同年4月支払い分からはぞの全額の支払いをしなくなったところ、
これについては、同年3月下旬ころ、離婚問題を巡って債務者と債権者が電話で喧嘩をしてしまったことが直接の契機となった、主として、感情的な要因によるものと窺われるのであって、債務者の支払い能力ないし資力等の状況に大きな変化があったことによるものではないと伺われるのである。