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面会交流は教育の一環か


この判例は、夫である父が子ども(別居当時小学校1年生)との面会を求めて調停を申し立てそれが審判移行して結果が出たものの、双方これを不服として即時抗告したものです。

この判例で特徴的なのは以下の2つの要素を含んでいることです。

ア 習い事への参加を面会交流として認められるか。
イ 第三者機関を利用することについて。

以下、アについてコメントします。
これまで子どもと一緒に参加し習わせていたスポーツなどの習い事や、同居時同様に塾へ送迎したいと考える父は多いものです。
この判例でも父は、○○塾の主催する空手稽古に週1回、論語等の勉強会に月1回、などを面会交流の頻度として主張していました。

では、裁判所の判断はどうなのでしょうか。

家庭裁判所は原審で以下のように判断し、父の主張を退けました。
「そもそも面会交流は、子の幸福のために実施するものであり、親の教育の一環として行うものではない。」

高等裁判所の判断は少し違います。
「未成年者の子に対する教育の方法は、親権者である両親の合意に基づいて決定すべきものであるところ、一件記録によれば、未成年者の○○塾における学習への参加については、母が同意していないことが認められる。したがって、これを実施することを目的として面会交流の回数や方法を決定することは相当ではない。」

別居をしてもこれまで通り子育てに係りたい父と、裁判所の考える別居後の子育て関与は別物だとわかる判例です。

父が調停員を通じて子どもに渡した手紙の内容を読むとせつなくなります。
「大好きだよ。Cはなにもわるくないよ。はやくママとなかなおりできるようにがんばるよ。またサッカーやザリガニつりやプールに行こうな。」

阿部マリ


東京高 平成25.6.25(決)面会交流審判に対する即時抗告申立事件 家裁月報65巻7号

〔未成年者の父母の間の信頼関係が失われている状況にある場合において、未成年者の父と未成年者の面会交流を早期に開始し正常化するためには、第三者機関の立会という制限された方法により回数もひかえめにして面会交流を開始するのが相当であるとした事例〕

未成年者と同居している母(相手方兼被告人、原審判相手方)と、
別居中の父(被告人兼相手方、原審申立人)との離婚をめぐる紛議が係属しており、

未成年者の母において、夫である未成年者の父から別居前に精神的な虐待がを受けたと主張したり、同人による未成年の連れ去りを懸念したりするなど、

未成年者の父母の間の信頼関係が失われている状況にあることから、
未成年者の母が面会交流に消極的になり、未成年者を連れ去られる危険性があると懸念を抱くこともやむを得ない事情があることなど判示の事情の下では、

未成年者の父と未成年者の面会交流を早期に開始し正常化するために、当初は、未成年者の母の懸念にも配慮して、第三者機関の立会という制限された方法により、回数も控えめにして面会交流を開始するのが同等である。

日時:2014年2月17日 17:06
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