妻の暴言、家庭内別居、母への虐待などを理由とする夫からの離婚請求が認められた事例
《裁判所の判断》
婚姻関係調整事件として調停がされた以上、その内容が財産隠匿問題に終始したとしても調停前置の要請を充たしているといえる。
民法770条1項5号の規定により(夫)の離婚請求には理由があるから認容する。
(横浜地判昭59・2・24判夕528・290)
妻が、自己中心的で金銭欲が強く昭和40年頃から長期間にわたり夫の土地権利証三通をはじめた額の財産を隠匿したことは認められないが、事実経過記載の事実は認められる。
事実経過
昭和40年頃に、妻の夫に対する侮辱的言動が激化し、連日のように続くようになる。
妻は二階に寝起きし、夫とは別居同前で、ふだんは口も利かない生活を続けながら、突然二階から降りてきて「いじめられた。」とか「結婚して損をした。」とか「夫が実母とべったりだ。」とか具体性のない非難を並べ、突然、自分の言葉に興奮して夫に対し「威張るな。」「ばか」などの暴言を吐いた。
妻は夫母(80歳を超えている)との同居を嫌がるため、夫母は屋敷内の車庫の上に作った六畳一間に一人暮らしをしていた。
夫が、車庫内からの上る階段しかない六畳一間に避難口を作ることを懇願しても難色を示して作らせない。
妻は「ばばあ、早く死んじまえ。」と怒鳴る。
阿部コメント:結婚した翌年から妻の暴言が始まり、結婚17年目からは連日の暴言や侮辱的言動が続いた。
子どもも2人いるが、夫は子ども達と話をしたことが無いほどに疎外されてもいた。
結婚してから36年で離婚です。と、いうことは連日の暴言や侮辱的言動が続くようになってから19年も耐えていたのでしょうか…。後半の8年間は家庭内別居ということですが、辛かったでしょうね。
元記事/2009.01.09 Friday/阿部マリ