【公正証書により定められた養育費について、支払義務者の再婚相手の育児休業期間に限定してその減額を認容した事例】
家庭裁判月報 平成20年6月 第60巻 第6号
養育費減額申立事件 福島家会津若松支H19.11.9(審)
公正証書により定められた養育費について、支払義務者(父)から、養育費の減額を求めた事案において、
支払義務者が再婚し、子をもうけたという事情は、再婚 相手に収入がない現時点では、養育費条項を変更すべき事情に当たるが、
再婚相手の育児休業期間経過後は、再婚相手も出生した子の養育費を負担できるよう になることが予想され、
その後必要であれば支払義務者において再度減額等の申立てをするのが相当として、再婚相手の育児休業期間が終了する月までに限り、 養育費を減額した事例。
阿部コメント
離婚時に作成した公正証書には養育費と慰謝料についての記載がありました。
支払い義務者である父の税込年収は約322万です。
以下の支払いは無謀ですよね。
無理に追い込んで実現不可能な契約を公正証書で交わしても、早々に破綻して支払えなくなることは分かりそうなものですが、渦中にいると見えなくなるのかもしれません。
なお、養育費の減額は認められましたが、慰謝料の減額は民事訴訟の対象であるとして判断されませんでした。
養育費
(ア)平成16年4月から平成17年9月まで、毎月3万円。
(イ)同年10月から平成28年7月まで、毎月6万円。
(ウ)同年8月から平成35年11月まで、毎月12万円。
慰謝料(総額842万円)
(ア)平成16年4月から平成17年9月まで、毎月3万5千円。
(イ)同年10月から平成28年6月まで、毎月6万円。
(ウ)同年7月、5万円。