『不倫は別れる理由にならない』(ジャニス・エイブラムズ・スプリング著)は不倫を乗り切ろうとするカップルに向けた本です。
この本は、3つのステップで構成されています。
ステップ1 心理状態の把握
ステップ2 やり直しか離別かの決断
ステップ3 パートナーとの再出発
不倫をされた側のショックと苦しみは計り知れないものがあり、自分でコントロールできない感情の波に翻弄されます。
でもその心理状態は急性のトラウマに対する正常で当然の反応であることが「ステップ1 心理状態の把握」に書かれています。
この本を読むことで少しは自分のことを客観的に見れるようになりますので、気持ちがいくらかは落ち着きます。
しかし、なかなか手に入らないので、ここでいくつかのフレーズを抜粋して紹介します。
●パートナーの不倫を知った以上、これからはもっと深く、もっと大きな喪失感があなたに襲いかかってくるはずです。あなたの人生観、世界観は音を立てて崩れ、自信や安心の拠り所としてきたものが今となってはもろく、はかなく思えるでしょう。
“今までの自分は何だったのだろう、本当にこの世の住人だったんだろうか”と問い質したくなるはずです。
心身ともにショック状態に陥るでしょう。社会の秩序や正義に対する信頼は失せ、人生の舵取りもままならなくなるでしょう。
自尊心は消え、自分を定義できなくなります。
家族、友人、神−全ての人に見捨てられたような気持ちになるかもしれません。
自分が自分でないような気がして、心の振り子は左右に激しく振り切れます。強気で自信にあふれたかと思えば、次の瞬間には弱気で頼りない自分になってしまう。あまりの激情に圧倒されて、ついには正気を失うんじゃないかと不安になるでしょう。
●不倫のショックが覚めやらぬ今、あなたの神経系統や認知機能は変調をきたしていると考えられます。
アドレナリンなどのストレスホルモンが交感神経に流れ込んで、一種の覚醒状態を作るからです。
そのため、パートナーがまた不倫に走りはしないかと四六時中、神経を尖らせるようになります。慢性的な緊張と不安から寝つきが悪くなり、夜中に頻繁に目が覚めたり、物音に敏感になるケースも見受けられ、やがては極度の睡眠不足と緊張から消耗していくかもしれません。
いかがでしょうか。
当てはまる方も多いのではないでしょうか?
自分だけが特別なのではなく、多くの人が同じような心理状態になることが分かるだけでも、自分の感情を受け止められるようになります。
この本は、「不倫問題は乗り切れる」といっています。
私も同様に不倫問題は乗り切れると考えています。
しかし、相当な覚悟が必要です。
阿部マリ