出典:家庭の法と裁判24
2020年の家事事件の面会交流の間接強制の判例索引です。
2020裁判例索引(面会交流の間接強制)
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面会交流の間接強制15歳の子ども
判時事項
相手方が,抗告人らに対し,相手方を未成年者(15歳)と面会交流させる義務を履行しなかったとして,間接強制の申立をした事案について,
間接強制をするためには債務者の意思のみによって債務を履行することができる場合であることが必要であるが,本件未成年者のような年齢の場合は子の協力が不可欠である上,本件未成年者は相手方との面会交流を拒否する意思を京子に形成しているところ,
本件未成年者の精神的成熟度を考慮すれば,広告人らにおいて本件未成年者らに面会交流を強いることは未成年者の判断能力ひいてはその人格を否定することになり,却って未成年者の福祉に反することから,
本件債務は債務者らの意思のみによって履行することはできず履行不能であるなどとして,相手方の間接強制の申立を却下した事例
大阪高裁 平成29年4月28日決定
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面会交流の中断を考え直してみませんか
面会交流が必要であることは分かりますが、子供が小さいとなぜお父さんとバイバイをするのか理解できずかんしゃくをおこし情緒不安定になってしまいます。今の生活が安定するまで面会は中断できるでしょうか。
離婚直後の面会交流について考え方に迷いがあるのですね。
お子さんを大切に思うがこその悩みなのだと思います。
お子さんが面会交流の終わりに、うまくバイバイができないことはよくあります。
でも考えてみて下さい。
この年齢の子どもは、お友達と楽しく遊んでいるときにはもっと遊びたいと駄々をこねますし、公園や遊園地などに行っても「まだ帰りたくない」ということが多いものです。
バイバイを嫌がるのは、お父さんが好きだからです。
お友達とバイバイするときには、親は子どもに対して「また明日あそぼうね。」などと説得します。
面会交流も同じく、「次は来週ね。一緒に公園に行こうね。」というように説得するものです。
うまくバイバイができるよう教え諭していく経験を積むことが子育てなのだと思います。
幼稚園に慣らし保育があるように、面会交流も回数を重ねることで次第に慣れていきます。
私は、行政書士の他、面会交流の仲介支援NPOびじっと離婚と子ども支援センターの理事をしています。
子どもは愛情をいっぱい受けて育ちます。
100の愛情が90になっても、子どもはショックを受けるものです。
家族がうまく機能していたときは、父母や祖父母、親戚や友人関係など、子どもを取り巻く環境は愛情に満ちていたものと思います。
十分に愛された子どもは、自分も周囲も信頼する自己肯定感を身に着けます。
ところが、別居や離婚によって、子どもを取り巻く愛情の環境は変化してしまいます。
その喪失感をいくらかでも軽減させ、子どもの自己肯定感を手助けしていくのが面会交流です。
離婚が子どもに与える影響や、面会交流の意義など、沢山の情報をHPに掲載していますので、子育ての参考になさって下さい。
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面会交流は教育の一環か
この判例は、夫である父が子ども(別居当時小学校1年生)との面会を求めて調停を申し立てそれが審判移行して結果が出たものの、双方これを不服として即時抗告したものです。
この判例で特徴的なのは以下の2つの要素を含んでいることです。
ア 習い事への参加を面会交流として認められるか。
イ 第三者機関を利用することについて。
以下、アについてコメントします。
これまで子どもと一緒に参加し習わせていたスポーツなどの習い事や、同居時同様に塾へ送迎したいと考える父は多いものです。
この判例でも父は、○○塾の主催する空手稽古に週1回、論語等の勉強会に月1回、などを面会交流の頻度として主張していました。
では、裁判所の判断はどうなのでしょうか。
家庭裁判所は原審で以下のように判断し、父の主張を退けました。
「そもそも面会交流は、子の幸福のために実施するものであり、親の教育の一環として行うものではない。」
高等裁判所の判断は少し違います。
「未成年者の子に対する教育の方法は、親権者である両親の合意に基づいて決定すべきものであるところ、一件記録によれば、未成年者の○○塾における学習への参加については、母が同意していないことが認められる。したがって、これを実施することを目的として面会交流の回数や方法を決定することは相当ではない。」
別居をしてもこれまで通り子育てに係りたい父と、裁判所の考える別居後の子育て関与は別物だとわかる判例です。
父が調停員を通じて子どもに渡した手紙の内容を読むとせつなくなります。
「大好きだよ。Cはなにもわるくないよ。はやくママとなかなおりできるようにがんばるよ。またサッカーやザリガニつりやプールに行こうな。」
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